レポート 例会

BPIA 例会【2019年度第1回】(2018/12/19)『5Gが切り開く未来の展望』

※レポート更新しました(2018/12/22)

【レポート】

 こんにちは。BPIA広報委員会の石田です。今回は12月19日(水)に日本オラクルさんのセミナールームで開催された今期第一回目のBPIA例会についてレポートをさせていただきます。

 今回の例会ではNTTドコモ執行役員 5Gイノベーション推進室室長の中村武宏氏をお招きして、「5Gが切り開く未来の展望」と題しご講演いただきました。

 2019年にいよいよ始まる5G。NTTドコモでは2010年頃から5Gの研究が進められていたということです。2010年といえば4Gがリリースされたころです。1Gから4Gまで、おおまかにちょうど10年周期で新しい通信がリリースされています。4Gの登場からほぼ10年が経ち、5Gも商用利用されるステージになりました。情報コンテンツがよりリッチになっていく中でいよいよ5Gの登場となります。

 5Gの特徴として「高速・大容量化」「超低遅延」「接続可能端末数」の3つが挙げられます。たとえば8GBのハイビジョン動画をダウンロードするのに3Gでは70分、4Gでも7分の時間を要していましたが、5Gならばわずか6秒でダウンロードが完了することになります。4Gの約100倍の速さです。ただ5Gが商用として活用されるには助走期間が必要です。5Gの通信を活かすことができる端末が普及していなければ、その力を充分に活かせません。マーケットのニーズが本格化する前から準備が必要であるともいえます。

 日本の5Gは2019年に開催されるラグビーのワールドカップでプレサービスが始まり、2020年の春に本格的な商用導入がされることになります。他国はどうかといえば、アメリカでは通信のラストワンマイルに5Gを無線で活用、ヨーロッパは4Gさえ十分に普及している状態ではありません。今後、日本ではサービス要求とインフラ設置のコストとのバランスを読みながら5Gが全国的に、一般的に普及をしていくことになります。

 5G実用の実験も様々スタートしています。中村氏がNTTドコモが取り組まれている事例を紹介してくれました。まずは時速300キロの世界でも満足に通信ができるかどうか。日産のGT-Rを使っての実験ですが、車両での利用のための実験ではなく、新幹線で5Gが使えることを確認するためのテストとのこと。海上でも5Gを活用するための実験として、海上で撮影した4Kの映像データを砂浜に伝送しパブリックビューイングをおこなう実験を行われました。

 5Gの世界を体験する場も設置されています。4月から東京四ツ谷にオープンしているのが「ドコモ5Gオープンラボ」。東京スカイツリーには「PLAY5G」をオープンし、サービス・アプリケーションを体感することができます。また「5Gデモバス」では5G時代の新体験ユースケースやサービスを体験することができます。この「5Gデモバス」については、デジタルトランスフォーメーション研究会でぜひ体験したいという意見がありました。

 他にも5Gを活用した遠隔診療や、建設機械の遠隔制御、ヒューマノイドロボットの遠隔操縦などの4Kや8Kの映像を伝送した新しいサービスの研究も進められています。市場は「活用するサービスが多くなればより盛り上がる」ということでオープンパートナープログラムを開催。すでに2,000社以上にまで拡大が進んでいるとのことでした。通信の発達がビジネスの発展に大きく寄与しているのを感じます。

 最後になりますが、中村先生、会場をお貸しいただいた日本オラクルの宇木さん、BPIA事務局の川上さん、誠にありがとうございました。


【開催概要】

2019年度第1回目となるBPIA例会は、12月19日(水)朝8:00より開催です!

この度は、NTTドコモ執行役員 5G推進室室長の<中村 武宏氏>をお招きする運びとなりました。
次世代の通信システム「5G」について、今後のサービス展開や活動に関するご紹介、また社会に与える影響に関する考察についてもお伺いしていきます。

最先端のお話を伺える大変貴重な機会となります。どうぞ奮ってご参加ください!
たくさんの皆様のお越しをお待ち申し上げております。

日時: 2018年12月19日(水)朝8:00〜9:30(受付開始 7:45〜)
場所: 日本オラクル株式会社
オラクル青山センター 13F 会議室
外苑前駅 4B出口直結
http://www.oracle.com/jp/corporate/branch/aoyama-078891-ja.html
タイトル: 5Gが切り開く未来の展望
講師: 中村 武宏(なかむら たけひろ)氏
株式会社NTTドコモ 執行役員 5Gイノベーション推進室室長
対象: BPIA会員限定
参加費: 3,000円(朝食代込。当日申し受けます)
進行: 田村俊和(BPIA理事 例会担当)
日経BP社 取締役 経営メディア統括

※「例会」は、BPIA会長、会員経営者、または外部経営者知見者を講師に招き、グローバル時代の経営を様々な視点で議論し、相互研鑽とビジネス交流を図る、BPIA会員限定の勉強会となります。

 

◎講演概要

第五世代移動通信方式(5G)は移動通信業界だけでなく多くの業界から注目されており、世界的に商用化に向けた準備が着々と進められています。NTTドコモも、2019年のラグビーワールドカップ開催時にプレ5Gサービス、2020年春には商用サービスの開始を計画しています。本講演では、NTTドコモの5G展開計画概要や5Gサービス開発に向けた多くの活動について紹介し、5Gが社会にどのような影響を与えるかについての考察を述べます。

 

◎講師プロフィール

中村 武宏(なかむら たけひろ)氏
株式会社NTTドコモ 執行役員 5Gイノベーション推進室室長

1990年 横浜国立大学修士卒。1990年 NTT入社。
1992年より、NTT DOCOMOにてW-CDMA, HSPA, LTE/LTE-Advanced, 5GおよびConnected Carの研究開発
および標準化に従事。現在、NTT DOCOMO 5G推進室室長。
1997年よりARIBでの移動通信システム標準化に参加。2006年~2014年2月、高度無線通信研究委員会 
モバイル・パートナーシップ部会 部会長。現在、5Gモバイル推進フォーラム企画委員会委員長代理。
1999年より、3GPPでの標準化に参加。2005-2009年 3GPP TSG-RAN副議長、
2009-2013年3月3GPP TSG-RAN議長を歴任。
2016年よりITS情報通信システム推進会議 高度化専門委員会 セルラーシステムTG主査。