レポート 例会

<レポート更新>BPIA 例会【2019年度第3回】(2019/4/17)

※レポート更新しました(2019/04/18)

【レポート】

 こんにちは。BPIA広報委員会の石田です。今回は4月17日(水)に日本オラクルさんのセミナールームで開催された今期三回目のBPIA例会についてレポートします。

 今回の例会では東京大学大学院工学系研究科の森川博之先生をお招きして、「データ・ドリブン・エコノミー」と題しご講演いただきました。

 デジタル変革は生産性の向上を主たる目的としており、様々なところでデジタル化が進んでいます。工場の業務をとっても様々な仕事がアナログからデジタルに変換されていますが、重要なのは「業務をデジタルにできるか、に『気づく』こと」です。ですから、仕事がデジタルによってどのように変化していくかは「現場」の人しかわからないし、「現場」の人しか気づくことはできません。大切なのは、「現場」を分かっている人のデジタルに対する理解と意識を変えること、とも言えます。

 国策として生産性を上げることの一丁目一番地が「デジタル化」でしょう。日本は他国と比較して生産性が低い状況ですが、ポテンシャルがないわけではありません。人口減により、「生産性を上げざるを得ない」状況にあることも、変化を求められるポジティブな要因です。実は都道府県も各々が国家レベルの総生産を誇っています。鳥取はブルネイとほぼ一緒。市町村レベルでも他国の国家レベルの総生産があります。市場はまだまだあるのです。

 これからの注目は5Gの登場です。5Gはツールですから、5Gが出たら何が変わるかはわかりませんが、確実に変わるのは確かです。これまでの4GはBtoC活用がメインでしたが、5Gの登場によってBtoB活用がより可能になります。「デジタル化」という言葉が叫ばれ出してから時間が経ちますが、数年で「デジタル化」は落ち着くものではないでしょう。

 ドラッカーの言葉に「汎用技術はすべてのビジネスに影響を与える」という言葉があります。昔の「蒸気機関」、現在の「ICT」。「蒸気機関」の登場によって鉄道が生まれたこと自体が重要なのではなく、鉄道というインフラができたことで社会が変わったことが重要なのです。IT/ICTの登場によって新しいビジネスが登場していますし、5Gの登場も新しいビジネスを生むでしょう。

 1850年に資本主義の歴史の中での最大級の恐慌があり、1929年に電力と自動車のバブルがあり、2000年・2008年はIT/ICTのバブルがありました。面白いのは各々のバブルが起こってから30年くらいをかけて技術がビジネスとして「本物」になっていることです。新しいテクノロジーを導入し活用するためには必ず人が関わります。だからこそ30年ほどの時間がかかるのではないでしょうか。

 デジタル化によって必要になるのは、今までの既成概念・固定概念の「再定義」でしょう。たとえば物的資産のデジタル化を考えると、航空機の座席システム。AAが生んだSABERが2000年にAAから分離しました。それはSABERがAAの時価総額を上回ってしまったからです。デジタル化によって事業立地や組織の在り方の「再定義」がおこなわれているのです。既成概念・固定概念を取り払う癖をつけることが大切です。

 上記の他、「人事評価の仕組みを頻繁に変えるという会社とその理由」「OODA型とPDCA型を上手に合わせてアジャイル式にビジネスを進める」「NTTドコモのアグリガールの活躍」などについてお話をいただきました。特に、「以前は、技術導入のハードルが高かったが、現在は顧客に技術を活かすことのハードルが高い」というお話に共感しました。

最後になりますが、森川先生、会場をお貸しいただいた日本オラクルの宇木さん、BPIA事務局の川上さん、誠にありがとうございました。例会担当の田村さん、今年度前半戦の三回の例会、ありがとうございました。


【開催概要】

2019年度第3回BPIA例会は、4月17日(水)朝8:00より開催です!

この度は、IoTの領域で長年にわたり研究を重ねていらっしゃいます、東京大学 先端科学技術研究センターの<森川教授>をお招きしてご講演いただきます。
大変貴重な機会となります。
皆さまどうぞ奮ってご参加ください!

日時: 2019年4月17日(水)朝8:00〜9:30(受付開始 7:45〜)
場所: 日本オラクル株式会社
オラクル青山センター 13F 会議室
外苑前駅 4B出口直結
http://www.oracle.com/jp/corporate/branch/aoyama-078891-ja.html
タイトル: データ・ドリブン・エコノミー:デジタルがすべての事業・産業・社会を変革する
講師: 森川 博之(もりかわ ひろゆき)氏
東京大学 先端科学技術研究センター 教授
対象: BPIA会員限定
参加費: 3,000円(朝食代込。当日申し受けます)
進行: 田村 俊和(BPIA理事 例会担当)
株式会社日経BP読者サービスセンター 代表取締役社長

※「例会」は、BPIA会長、会員経営者、又は外部経営者知見者を講師に招き、グローバル時代の経営を様々な視点で議論し、相互研鑽とビジネス交流を図るBPIA会員限定の勉強会となります。
 

◎講演概要

産業構造、社会構造、事業構造までをも変革する起爆剤がデジタルである。
どの産業領域であってもデジタルを切り離して考えることはできず、新たな価値を創出する経営戦略として考えなければいけない。
アナログプロセスのデジタル化の価値、事業領域や組織の再定義の必要性、先遣隊としての取り組みの必要性、インベンションとイノベーションの違い、大企業主導のイノベーションのあり方などを示しながら、デジタルを駆動力としたイノベーションについて述べる。
 

◎講師プロフィール

森川 博之(もりかわ ひろゆき) 氏
東京大学 先端科学技術研究センター 教授

1987年東京大学工学部電子工学科卒業。1992年同大学院博士課程修了。工博。
2006年東京大学大学院教授。2002~2007年NICTモバイルネットワークグループリーダ兼務。
モノのインターネット/M2M/ビッグデータ、センサネットワーク、無線通信システム、情報社会デザインなどの研究に従事。電子情報通信学会論文賞(3回)、情報処理学会論文賞、情報通信学会論文賞、ドコモモバイルサイエンス賞、総務大臣表彰、志田林三郎賞、情報通信功績賞など受賞。OECDデジタル経済政策委員会(CDEP)副議長、新世代IoT/M2Mコンソーシアム会長等。
総務省情報通信審議会委員、国土交通省国立研究開発法人審議会委員等。