レポート 目からウロコの新ビジネスモデル研究会 研究会 2011年度 研究会/経営サロン

第42回 目からウロコの「新ビジネスモデル」研究会(2011/6/28)
『あなたはこれでもfacebookに乗り換えますか?』
講師:石田 麻琴 氏
TBGコンサルティング代表、EC/経営コンサルタント

テーマ:あなたはこれでもfacebookに乗り換えますか?
誰も知らなかったtwitterメディア化戦略。
たった1年でフォロワー6万人のヒミツ。
日 時: 2011年6月28日(火)16:00~19:00
場 所: アーク情報システム(市ヶ谷)
講 師: 石田 麻琴 氏 TBGコンサルティング代表、EC/経営コンサルタント

■ はじめに

今日の話は、ソーシャルの話です。
ツイッターに登録したのが2008年のことです。本格的に使い始めたのが2010年からでした。facebookは今年2月だったか、その頃からです。
現在は、ツイッターのフォロワーが5万8千人程度です。 (http://twitter.com/m_ishida
ツイッターというのは140文字を簡単に投稿できるもので、不特定多数に読んでもらえるものです。不特定多数に発信すると、どんな情報なのかと、見にきてくれます。
facebookは、mixiなどと似ていて、ヒト目当てに来るのかなと思います。趣味などが近い人が集まってきます。Facebookページはツイッター同様に不特定多数に情報発信するものです。

それでは、そもそもソーシャルとは何かということになります。ソーシャルだから社会なのですが、ネット上の集合ということになります。ソーシャルをみんなと定義する人もいたり、双方向という人もいます。
例えるならば、ネット上に、ツイッター大学、facebook大学、mixi大学があって、これがソーシャルプラットフォームで、それらは併学できるの です。野球が好きな人、バンドをやる人、ドイツ語をやる仲間が、それぞれのプラットフォームに集まってくる感じです。ソーシャルマーケティングとは、特定 の趣味嗜好をもった層に、アプローチし、バズを起こすものです。

自己紹介

6年間、ECの会社で働いていました。楽天市場、ヤフーショッピング、ビッターズ、アマゾン、モバイル店、自社サイトで責任者をしてきました。
TBGコンサルティングは、はじめてまだ数ヶ月です。ベースはECで、ソーシャルの専門家ではありません。その中で、ツイッターを利用させてもらっています。この1年で、いったい何が起きたのかという話です。
本格的に2010年1月から使い出して、はじめは、おはよう、いま起きました、酔っ払ってどうした…と言っていたのです。フォロワーが40人くらいで、友達とやり取りしていたのですが、これではつまらないと思いました。
それで、フォロワーを増やすことを考えました。

本日は、フォロワーを増やすために、「どうやればいいのか?」だけでなく、「何でそう考えたのか?」についてもお話したいと思います。
テクニックは陳腐化しますが、何でそう考えたかという点は、ずっと使えます。

フォロワー拡大の方法

(1) フォロワー拡大・その1

ツイッターをするといっても、誰も石田のことなど知らないですから、エッジを出さないといけません。
僕の場合、ツイッターを利用して、TBGコンサルタントをするときの窓口にしようと思いました。ECの話をつぶやいて、ツイッター上にノウハウを出す人はいないので、面白いと思ったのです。
とにかく、まずはフォロワーを増やせばいいと考えました。それには、フォロー返しをもらうことです。一日100人フォローすると、40人くらいフォローしてくれます。しかし、500人になったら、4桁にしたいなあと思ってきました。
ただ、フォロー100人を200人にするのは大変になってきました。それで、100人フォローして、フォローしてくれる人が40人だったものを、70人にする方法を考えることにしました。
ここで考えたのは単純な原理です。知らない人がフォローしてくれたら、相手は、どういう人がフォローしてくれたのかなと思います。そのとき、こちらのプ ロフィールを見るはずです。何か、有益な考えをもっていると思ってくれるように工夫する必要があります。どこどこ社長、なになに主宰とか代表が入っていた ら、フォローしてくれるのではないかと思いました。
ネットショップのことなら僕です、ということを強調するために、プロフィールを何度か書き換えています。

(2) フォロワー拡大・その2

つぶやいたツイッターをRT(リ・ツイート)してもらうと、フォロワーのフォロワーがついてくれます。ECの秘密はこれですよとつぶやくと、内容が良かったら拡がります。
それで、つぶやきの内容がすごく大切だと思いはじめました。

面白いなと見てもらうには、まずテキストの量の問題があります。140字いっぱいに詰め込むのがいいと思います。たいていのつぶやきが1行から3行で終わっていますから、140字目いっぱい使うと目立ちます。細かいことですが、これが差をつけていきます。
ECで広告を出稿するときに、どうすれば目立つかばかり考えていました。量が多いと目立ちます。140字いっぱいに入れると目立つのです。

それから、RTしてもらうには、RTされたツイートを流し続けたらいいと思いました。これは商売の鉄則のようなものです。
ユニクロも、フリースが当たったら「フリース、フリース」とそればかりを売ります。ヒートテックが売れたら「ヒートテック、ヒートテック」と繰り返して、売れるものをどんどん売ります。みんなが反応する同じものを繰り返すことが大切です。
そのために、テキストを200個書いていました。RTされたものを別枠にしておいて、何日かに一回流します。

皆さん専門分野があるはずです。自分の専門のことを、知らない人に興味を持ってもらえるように、どういう内容がいいのか、流したあとの反応を見ながら推敲していきます。

「安いものには安い顧客がついてくる、高いものには高い顧客がついてくる、高いものにはクレームも少ない」…そんな内容を書いて、推敲していきます。
1回読んでもらえると、その後も読んでもらえます。継続して読んでもらうためには、まず1回、面白いと思って読んでもらうことです。

「1.1倍の売り上げを毎月達成していったら、1年後には3.14倍になります、さて、あなたのところは何%アップしましたか? もし達成されなかったら、その原因を徹底的に考えることです」…こういうことを書いて、自分のつぶやきに特徴をつけることです。
コンテンツを充実させて、エッジを立てることが必要です。

(3) フォロワー拡大・その3

ECに興味がある人に読んでもらうには、コンテンツを充実してエッジを立てることが原則です。
しかし、それだけでは足りません。

楽天の三木谷さんをフォローしている人は33万7千人います。この人たちはネットショッピングに興味がある人でしょう。だから、この人たちにフォローしてみるのは有効かもしれません。
ただ、いろいろな人がいて、幅が広すぎます。もっと純度の高い人がいいのです。
EC業界で有名な人、ネットショップをやっている人なら知っている人をフォローする必要があります。加藤敏明さん、中山進也さん、坂本悟史さん、リトルムーン Mitsuki Bunさんなどの名前が挙がります。
普通知らなくても、業界の中で有名な人を見つけることです。
EC業界のハブの方を見つけて、その人のフォロワーをターゲットにして、自分のフォロワーになってもらう。ひたすらハブの方を見つけてフォローしていくことです。
これは、アプリで一括管理できます。これを使うと、1000人のフォロワーに送ることが出来ます。ただ派手にやると、アカウントが凍結されるリスクはあります。

ツイッターを使ってみての評価と今後

いままでツイートを流してきて、どう評価されているかということは、お気に入りに入れてもらったかどうかで評価できるだろうと思います。自分のつぶやきが読みたいものと位置づけられたら、お気に入りに入れてもらえるはずです。
リストに入れてくれるのが、何人に一人なのか、「リスト率」を考えてみることも必要かもしれません。僕の場合だいたい30人に1人くらいがリストに入れてくれています。
この点、孫さんは、すごいリスト率だろうと思います。
リストの数はとても大切だろうと思います。

自分の情報の反響を見るためもあって、資料の無料配布をしたことがあります。2010年9月から11月の間に3回やってみました。24時間 限定で、個人的に連絡くださいと10回流してみました。くださいと言われたのは、2万5千人に送って150人、あるいは3万5千人に送って300人くらい でした。

ソーシャルの世界は流れが速いので、いろいろ考える必要があります。フォロワーを増やすばかりがいいとは言えません。

今後は、フォローする人を減らしていって、本当に興味を持つ人に絞っていきたい。そしてツイーターのメディア化を進めたいと思います。
つまり、140文字完結でなく、140文字が連続して行くということを考えていこうかなと思っています。

ツイッターでやってきたことと、ECを経験して学んだこととは、同じことだったと思います。これらは、仕事の原理原則にかかわるものだろうと思います。
エッジを立てて、文章がわかりやすくて、心に刺さる内容であることが必要です。ECというのは、「商品力」「提案力」「集客力」の掛け算だと僕は思います。こういう点で、同じだと思います。

内田さん

8~9年前に大学のバスケットチームに入っていて、大会に出ようということで、ユニフォームをお店に買いに行ったとき、対応した店員さんが内田さんでした。その後、ツイッターで再会しました。ちょっと、内田さんにお話していただきます。

たまたま販売促進の研修で店頭に立っていたときに、石田さんに会いました。
父が練馬で不動産屋をやっておりまして、実家を継がなくてはならなくなりました。
不動産業もインターネット化を進めていますので、あれこれやっているうち、石田麻琴という名前が引っかかってきました。「琴」というのが珍しいので気づ いたのです。フォロワーが1万人を超えていたので、あれと思って、自分からアプローチしました。それで、フォロワーの増やし方を指南していただきました。
自分も、半年でフォロワーが4万人を超えました。板橋で3位だということです。これだけいると、何なんだ…と思われるようです。このあとは、絞込みをし ていけばいいと自分なりに考えています。ただ、フォロワーを増やしすぎるとアカウントが凍結されるといわれています。実は、5日前に私のアカウントも凍結 されました。ただ、解除の申請が出来ます。ネットで調べて、日本語で申請をして、2日で解除できました。私のやっていたことは、お客さんとのやり取りなの で、違法なものではなかったためでしょう。勝手に、物件情報を流すようなことはしていませんし、そんなことは無意味ですから。ただ、あまり派手なことをす るなということでした。
フォロワーを増やすことが出来て、財産となっていると思います。

マーケティングにどう生かすか

内田さんもこれから絞り込むという話でしたが、今後、5万8千人を集めたけれども、マーケティングにどう生かしていったらいいかが問題です。

階段の論理というのがあります。ここがわかっているかどうかで、かなり違ってくるはずです。
知ってもらうところから、実際に利用してもらうまで、階段を一つ一つ上がるようなステップがあります。 「知る」→「興味を持つ」→「繋がる」→「定期的接触」→「参加」→「利用」というステップです。
SEO対策などで存在を知ってもらい、サービスやコンテンツの提案をうまくする。そして、エッジが効いていることで、興味を持ってもらいます。
面白いと思われたり、知られていない情報が載っているということになると、お気に入りに入れてもらえます。あるいは、メルマガなどをとってくれるようになります。
そうすると、何かイベントがあると、そのレビューが載るのでは…と定期的に見に来てくれるようになる。続いて、今度はプレゼントに応募してくれるように なる。初回無料サンプルとか、お試し期間だけサービスを受けたりする。これが参加です。買う気はないけれども、タダならOKということです。
サービス、商品がいいというのが前提ですが、こういう階段を上がって、やっと利用してくれることになります。

不動産屋さんも、ネット参入していますけれど、この階段が判っていない人が多いのではないかと内田さんとも話しました。webからリアルまでが大 変であることがわかっていないのです。だから、ちょっと資料請求が来ただけで、すぐに電話をかけてしまったりするようです。リアルになるまで、まだ階段が あります。
ありがちな勘違いですが、不動産情報の発信をしても無駄です。「興味を持つ」から「知ってもらう」「参加してもらう」までいって、さらに、web上の口コミ(=バズ:buzz)が加われば、利用まで行くかもしれません。
いかにバズを起こすか、それがソーシャル・マーケティングのポイントだろうと思います。そのためには、どんな層にアプローチするか、どんなコンテンツを提供するか…が大切です。

実例

いくつか実例を紹介します。

まず、原価BARです。はじめに1500円払えば、あとは原価で飲める店が五反田にあります。これが話題になりました。

それから、サティスファクションギャランティードというお店です。ここは、facebookページで40万人の「いいね!」をもらっています。 40万人のほとんどをフィリピンなどのアジアで稼いでいます。日本のアパレルとして広告を打って、そこでダントツの「いいね!」をもらっています。

3つ目は「こども夢花火」です。宮城県南三陸町でやっていた花火が中止になると聞いて、花火を見せてあげたいというので、寄付を募りました。7日で2000万円を集めました。

それから、これからの話ですが、ソーシャルリクルーティングというものが始まるかもしれません。facebookには、プロフィールが公開されていますから、その中から、いい人を見つけて一本釣りしようという考えです。単純で、実際にやれそうです。

最後に現実の話

最後に現実のお話をします。
実は、ソーシャルの世界で、意図的に仕掛けて成功した例はまだないのです。夢花火の例も、意図的ではなかったのです。原価BARも偶然話題になったもの です。サティスファクションギャランティードというのは、アパレルメーカーですが、facebookで「いいね!」をたくさん獲得する指南をしていますか ら、もしかしたらコマースとしてはまだ売上に繋がっていないのかもしれません。

ある程度は引いた目線が大切だと思います。
ネットショップのアミファの藤井さんと話していたとき、フォロワーを増やすより、受注を増やすほうが良くないかいと言われました。その通りです。
リアルでうまくいっている人にとっては、ソーシャルは必要のないもののようです。
リアルやECが頭打ちになっている人たち、人集めに困った人たちがやっているに過ぎない…という面があります。

広告・web制作業界は売り上げが頭打ちですから、市場のパイの奪い合いも行き詰まり、ソーシャルに対して来るぞ来るぞと炊きつけている感じがあります。それで、人集めのコンサルをやるという話になってきている、そういう意味では、何だよと思います。
ただ、いい面もあるかもしれません。
若い人は、mixiをやったり、ツイッターを使っています。世代が代わってきています。
大きな会社が何かやってくることによって、今後が大きく変わってくるはずです。

7~8年前のApple はもう終わったと見られていました。しかし、iPod や iPad、iPhone で一気に巻き返しました。
もしかしたら、せっかく5万人集めたとしても、その価値がゼロになるかもしれませんが、しかし、やってみて、フォロワーを増やしてみてから考えればいい のではないかと、僕は思います。乗っかってみないとソーシャルが何かわからないし、1度どっぷり浸かることで真実や次が見えてくると思います。

ご静聴ありがとうございました。

石田さんTwitter:http://twitter.com/m_ishida
TBGコンサルティング: http://www.tomboy-girl.com/

講演記録・丸山有彦