レポート 未分類

【レポート】 BPIAスポーツ交流会 ~身体的体感がリアリティを高め、思考を強化する

レポーター: 備前 勇 リコーITソリューションズ株式会社 ITソリューション事業部

BPIAスポーツ交流会 「フラッグフットボール」
~デジタルではできない共感のネットワークづくり(案内
日 時:2014年2月13日(木)17:15~
場 所:東京体育館 サブアリーナ
講 師:藤本智也  株式会社アスリード取締役

bizen6  bizen1

■参加前に考えていたこと

BPIAの”イノベーション研究会”で「勇気の科学」という本を紹介され、手に取った。様々な洞察が得られたのだが、中でも興味深く思った”事象”がある。

――たくさん人が行きかう朝の通勤時間帯のニューヨーク。そこで血を流しながら助けを求める男がいた。しかし、彼は誰からも助けを得られなかった。

“自分以外に多くの人がその場にいると、誰かがやってくれるだろうと考え、何もしない”という、”人間の本質のようなもの”を表した事象である。決して、都会の人間が冷たいというような通俗的な話ではなく、”集団の中にいる『自分』は、何かの状況に対して、当事者として責任を感じにくい”ということを示している。

視点を変えて、自分の身の回りを振り返ってみてどうだろう。自分が所属する職場や学校、その他コミュニティで何か問題が発生した時、”自分じゃなくても誰かがやってくれるだろう”と思って何もしない場合がある。一方で、責任を感じて自ら行動する場合もある。
行動する、しないの違いを生み出すものは、”状況に対しての当事者意識”だ。

自分の世界を変える唯一の方法とは、自分が当事者になる覚悟をし、行動することである。しかしながら、日常的に”ある状況”を傍観し、やりすごしてしまっていることがおそらくたくさんある。そしてその傍観している数々の”状況”に、世界を変えるチャンスがある。

“当事者になること”

本を読み、このキーワードが頭の中をぐるぐる回っていた。
そんな時、今回の「フラッグフットボール」のお誘いを受けた。
 
bizen2■フラッグフットボールとは?

フラッグフットボールは、アメリカンフットボールからタックルを無くした安全なスポーツ。2チームが攻撃側と守備側に分かれ、攻守を交互におこない、ゲームが進む。短いセットプレーの連続で、ひとつひとつのプレーは30秒もかからない。ひとつのプレーの前に攻撃側は集まり、次のプレーの戦術を決める。守備側もどのようにマークをするか決める。
非常に戦術的な要素が高いスポーツであり、円滑なコミュニケーションや役割の理解、すばやい合意形成が必要とされる。

■やってみると……これは○○なのか?
bizen4
今回は、実際よりも簡単なルールで、5人対5人の形式でゲームをおこなった。純粋に、ゲームとして楽しい。自分の役割の遂行が結果に直接結びつき、チームとしての達成感が心地よい。コートの外にいるメンバーも、良いプレーをしたメンバーに「ナイスフラッグ!」と声をかけるという役割を担う。常に自分がゲームの当事者であり続けることが求められるのだ。
 
状況に応じて取るべき戦術は変わり、その戦術の実行力が求められる。安全策では打開できない局面が発生すると、勝つためにリスクを取ってチャレンジする。リアルタイムで変化する状況で、ビジョンを明確にし、戦術を吟味し、コミュニケーションを図り、役割と責任を明確にし、実行する。プレーがおわったら結果を分析し、評価し、改善点を考え、士気を高め、次の戦術に活かす。
こうして言葉にしてみると、フィールド内でおこなわれていることは、まるでビジネスの現場である。

ビジネスの現場では、不安や焦りを抱えながら判断するという状況が発生する。そうしたストレス下でも、冷静に見極めて決断することが求められる。不安や焦りといった感情が視野を狭くするということは、誰しも経験的に知っていることだと思うが、スポーツの様々な局面もまさに同じだ。判断しなければならない状況は常にストレス下にある。そのストレス下で、いかに落ち着いて判断し、行動できるかが勝利のカギになる。

 
■今回の活動で感じたこと

古くから”百聞は一見にしかず”といわれるが、この言葉は
”体験したことによる身体的体感がリアリティを高め、思考を強化する”
ということを表したものだと私は考えている。
スポーツを通じて共感的なコミュニケーションを体感として捉えることは、日常のコミュニケーションの場面で、その体感がリアリティを高め、思考を刺激してくれるはずだ。
そしてもう一つ、私が重要だと感じたのは、”当事者になる”という体感である。
“当事者としての意識”を持つことの体感は、あらゆる状況において自分の当事者意識のリアリティを高め、行動をおこそうとする自分の背中を押してくれるのではないだろうか。

“共感的なコミュニケーションや当事者意識を体感として捉えること”
これを強く意識しながらスポーツに取り組むことで、身体から思考にフィードバックされるのだろう。スポーツ交流の企画に可能性を感じた。

以上

写真 写真7

写真右・講師の藤本智也さん(アスリード取締役)

 

※関連リンク
当日の写真アルバム
https://b-p-i-a.com/wordpress/?p=2949

企画運営:アスリード社
http://www.athlead.jp/