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BPIA 例会【2022年度 第1回】(2021/12/15)『ソニー銀行 躍進の舞台裏 ─真剣に考えて、定石通りの手を打てば道は開ける─』

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『ソニー銀行 躍進の舞台裏 講演資料』(4MB) ※要パスワード

【レポート】

 こんにちは。BPIA広報委員会の石田です。今回は12月15日(水)にオンラインにて開催されたBPIA例会についてレポートします。

 今回の例会では「ソニー銀行 躍進の舞台裏 ―真剣に考えて、定石通りの手を打てば道は開けるー」と題し、ソニー銀行株式会社 代表取締役社長の南啓二氏にご講演いただきました。

 家電メーカーであったソニーが金融事業をはじめたきっかけ、それは創業者である盛田昭夫氏がアメリカのシカゴで巨大なビルを見た衝撃にあります。そのビルがアメリカ最大の生命保険会社のものだと知り、いつかソニーグループにも金融を持ちたい、そう思ったこことがソニーの金融事業の元になっています。

 南氏がソニーに転職した当時、ソニーグループは赤字が続いていたので、周りの友人知人からも「辞めといた方がいいんじゃないか・・」とアドバイスがあったと言います。それでもソニーで働きたいと思ったのは、南氏自身、ソニーという会社が実は大学生のときの憧れでもあったから。

ソニーグループの金融事業といえば、「ソニー生命」「ソニー損保」「ソニー銀行」などがあります。「ソニー銀行」の子会社である「ソニーペイメントサービス」での仕事が南氏に大きな影響を及ぼしました。ソニー銀行のマーケティング部長として入社して間もなく、参加した会議で「決済の機能はグループ内に必要」と力説したのです。これをきっかけに、ソニーペイメントサービスに参画することになります。ソニーペイメントサービスではやれることを全部やり、赤字会社の再建をすることになりました。

 南氏は「朝礼、月例会議、社員全大会どんなときもメッセージを発信し続けた」ことが大切だといいます。その中でももっとも大切なのは夢を話すことです。南氏は徳島県池田高校の卒業生。在学中に甲子園での優勝を経験しています。野球部の蔦先生の言葉、「鍛錬、千日の行」「勝負、一瞬の行」。そして蔦先生の教え、「人の”心に火を灯す=希望の火”→夢」を大切にし、社員の皆さんにも共有しているといいます。

 南氏がいった「実績に基づき、目標(夢)を語り、その方向にみんなが向かうように導ける人、それがリーダーなんだと思う」という言葉が非常に印象的で、また自分の個人的な話もネタにして、皆に話すことで、親近感の醸成に心掛けているといいます。カーネギーに「人を動かす」という書籍がありますが、”人を動かす”ではなく”人を導く”を心掛けるべきだと。

 ソニー銀行は対法人ではなく、「個人に向けたサービスのみを提供」している銀行です。社内には「お客様は裏切らないと信じて、とにかく真面目にやる」という考え方を浸透させています。この「真面目」にやるというのが重要であり、この「真面目」こそ高い顧客満足度につながっている理由と考えられています。

 質疑では「同じことを繰り返し伝えていて飽きないか。またもっと伝わるようにする工夫」という質問を私がさせていただきました。南氏からいただいた回答として、「ちょっとしたアドバイスの中に『目標』を入れておくことが大切。目標意識を相手にもってもらえないとすぐ元に戻ってしまう。会議は事前の打ち合わせをしてストーリーをつくっておくことも重要(予行演習をして臨む方がいい)」というアドバイスをいただきました。

 今回の例会レポートは以上になります。最後になりますが、南様、例会担当の田村さん、BPIA事務局の川上さん、誠にありがとうございました。


【開催概要】

会員各位

平素より大変お世話になっております。
2022年度第1回BPIA例会は、12月15日(水)開催です!

今年度最初の例会は、
ソニー銀行 代表取締役社長の<南 啓二 氏>にご登壇いただくこととなりました。
貴重な機会に皆さまどうぞ奮ってご参加ください!

日時 2021年12月15日(水)
9:00〜10:30
タイトル ソニー銀行 躍進の舞台裏 ─真剣に考えて、定石通りの手を打てば道は開ける─
講師 南 啓二(みなみ・けいじ)氏/ソニー銀行株式会社 代表取締役社長
対象 BPIA会員限定
開催方法 Zoom
※URL等情報は、お申込みいただいた皆様へ別途ご案内いたします
進行 田村 俊和(BPIA理事 例会担当/株式会社日経BP読者サービスセンター 代表取締役社長)

※「例会」は、BPIA会長、会員経営者、又は外部経営者知見者を講師に招き、グローバル時代の経営を様々な視点で議論し、相互研鑽とビジネス交流を図るBPIA会員限定の勉強会となります。
 
 

◎講演概要

ソニー銀行は2021年で創立20年となりました。私は、2年前にソニー銀行に帰任しました。
銀行業というビジネスモデルは現状非常に厳しい環境にあります。でも、弊社は元気です。増収、増益です。
その理由、背景、実施したことをお話しします。合わせて、赤字のソニーペイメントサービス(株)を黒字化するまでの苦労話もご披露します。
金融界は足元ではデジタル、DX、フィンテックと騒がれていますが、お客さんの接点をデジタル化するフェーズは終わり、これからは権利・バリューのデジタル化のフェーズに移行しています。法的な整備も十分ではありませんが、そのあたりの関係もご紹介します。
 
 

◎講師プロフィール

南 啓二 (みなみ けいじ) 氏
ソニー銀行株式会社 代表取締役社長

1990年 早稲田大学理工学研究科を卒業
1990年 三和銀行(現三菱UFJ銀行)入行
法人部、広報部(金融腐蝕列島の舞台部署)、リテール企画部に在職。
リテール企画部ネット戦略室にて、現AUじぶん銀行設立、
ブラジルのブラデスコ銀行との業務提携、中国銀聯とのATM提携等を行う
2008年 ヤフー(株)入社 会員サービス事業部企画部長、決済関連事業室長を務める
2010年 ソニー銀行に入社 マーケティング部長 ソニーペイメントの買収を主導
2011年 ソニーペイメントサービス(株)取締役常務執行役員として出向
2019年 ソニー銀行に帰任、執行役員、常務執行役員を務める
2021年 ソニー銀行 代表取締役社長就任 現在に至る