BPIA 例会【2023年度 第3回】(2023/4/12)『ChatGPT：その開発経緯とインパクト』

【例会レポート】

　こんにちは。BPIA広報委員会の石田です。今回は4月12日（水）に外苑前の日本オラクル社セミナールームにて開催されたBPIA例会についてレポートします。

　今回の例会では「ChatGPT：その開発経緯とインパクト」と題し、Cognite株式会社　代表取締役会長の徳末哲一氏に講演いただきました。

　BPIA会員の皆さんはもちろんChatGPTをご存じのこと思います。ただ、触ったことがある、日常的に活用している方はまだまだ少ないかもしれません。今後、ChatGPTがどのように世界を変えていく可能性があるか。徳末氏のお話を伺いながら「近い未来」を考える会になりました。そして、徳末氏の「テクノロジーの進化を楽しまれている」お話しぶりが非常に印象的でした。

　ChatGPTの「GPT」とは「Generative Pre-trained Transformer」の略称です。直訳すると「事前学習をする生成的なトランスフォーマー」。むしろChatGPTの特徴的なところは「Chat」つまり「対話要素」であり、前の文脈を引き継ぎながら情報を絞り込み、相手（ユーザー）を理解していくところ。そして、ユーザーの質問を場合によっては「断る」こともその特徴と言えます。

　このような生成AIの進化により、様々な職種が影響を受けると言われています。通訳、翻訳、市場調査、詩人、動物学者、広報専門家、ライター、作家、数学者、税理士、金融データアナリスト、ウェブデザイナー‥などなど。もちろん、いかに先立ってChatGPTを活用しビジネスモデルを変化させるかが、これらの職種で突き抜けるポイントになるのでしょう。

　ChatGPTは教育業界にも大きな影響をおよぼします。物事を調べ、まとめ（構想、定量化／計算）、結論／行動を出す。これらがChatGPTによって完了してしまうのです。徳末氏によれば、シンガポールの高校では2023年の2月の段階（つまりChatGPTが広がりだして間もなく）でChatGPTの活用方針が出ているとのこと。テクノロジーの進化もここまできたか、という感じです。

　ただ、ChatGPTは諸刃の剣でもあります。アメリカでは「ChatGPTをいかに悪用できるか」のアイデアソンがすでにおこなわれており、金融における情報操作などの懸念が叫ばれています。ChatGPTの登場でテクノロジーの進化は完全に人間を超えたといえるかもしれません。これからはいかに人間が進化していけるか。ただ、この進化をつくったのも人間であることが面白いところかもしれません。

　今回の例会レポートは以上になります。最後になりますが、徳末様、例会担当の田村さん、斎藤さん、日本オラクル社の宇木さん、BPIA事務局の川上さん、誠にありがとうございました。

【開催概要】

「例会」は、BPIA会長、会員経営者、又は外部経営者知見者を講師に招き、グローバル時代の経営を様々な視点で議論し、相互研鑽とビジネス交流を図るBPIA会員限定の勉強会となります。

◎講演概要

今年に入りChatGPTがにわかに世界中で話題を呼び、史上最短の一ヶ月で月間Activeユーザ数が１億人を超えました。その使用事例は既に数多く出ていますが、なぜここまでの開発に至ったのか、その経緯や、その可能性、そしてシリコンバレーのイノベーション・カルチャーについても述べる。

◎講師プロフィール

徳末 哲一（とくすえ のりかず）氏

Cognite株式会社　代表取締役会長

19年の日本IBM 時代を経て、その後30年、主に外資系のIT/コンサルティング企業の日本での立ち上げに携わる。

プライスウオーターハウス・コンサルタント/PWC 株式会社　取締役
日本ピープルソフト株式会社　初代代表取締役社長
日本ビジネスオブジェクツ　代表取締役社長（パリ本社副社長）
ファスト サーチ＆トランスファ　代表取締役社長（本社シニアバイスプレジデント）
マイクロソフトジャパン株式会社　執行役、エンタープライズ・サーチ担当
EMCジャパン株式会社　　常務執行役
Pivotalジャパン株式会社　初代取締役会長
ワークディ株式会社　初代代表取締役社長を経て会長に
YugaByte株式会社　エクゼキュティブ　アドバイザー
米国Stanford大学大学院 修士(コンピュータ　サイエンス）、早稲田大学大学院修士
その他：　日本女子大学理事 兼 評議員