eスポーツが社会を変える!? ―見えてきたeスポーツの社会的意義と将来性―
レポート 例会

BPIA 例会【2023年度 第4回】(2023/8/23)
『eスポーツが社会を変える!? ―見えてきたeスポーツの社会的意義と将来性―』

【例会レポート】

  こんにちは。BPIA広報委員会の石田です。今回は8月23日(水)に外苑前の日本オラクル社セミナールームにて開催されたBPIA例会についてレポートします。

 今回の例会は「eスポーツが社会を変える!? ―見えてきたeスポーツの社会的意義と将来性―」と題し、一般社団法人eスポーツ連合 理事で株式会社VARREL 代表取締役社長/株式会社DONUTS 執行役員の鈴木文雄氏に講演いただきました。
 eスポーツをご存じでない方はすでにいないかと思います。eスポーツの世界的な市場規模は拡大を続けており、世界的なゲームである「リーグオブレジェンド」の世界大会決勝の視聴者数は3,000万人。最大視聴者は7,300万人という記録もあります。ちなみに、2022年のゴルフのマスターズの視聴者は1,017万人であり、この数字をはるかに超えてしまっているのです。

 現在のeスポーツの国内市場規模は2022年のデータで116億円。グローバルでは2,000億円規模に成長しています。絶賛成長中のeスポーツ市場ですが、鈴木氏がeスポーツに出会ったのは2010年でした。海外のプロゲーマーの存在をはじめて知ったのです。その選手はプロゲーマーとしては初めて100万ドルの賞金を稼いだ選手でした。

 eスポーツが盛んな国というと韓国が挙げられます。鈴木氏はeスポーツ先進国である韓国に視察にいきました。そこで見たものは、盛り上がるゲームセンター、毎週のように開催されるゲームイベント、そして花束を抱えてプロゲーマーの出待ちをする女性ファン。こんな世界なのかと。実は私自身も2010年以前に韓国に出張した際、テレビで流れている対戦ゲームの実況中継に違和感を覚えた記憶があります。なぜゲーム中継がテレビで、と。

 2011年、市川駅にeスポーツスクエアをオープン。当時働いてくれたスタッフは10年経った現在、eスポーツ関連の様々な仕事で活躍されているといいます。まさに日本eスポーツの原点です。2014年に聖地・秋葉原に拡大移転し、年間100回以上のゲームイベントを開催。プロeスポーツリーグの設立。そこからのeスポーツ市場の拡大はご存じのとおりです。

 eスポーツの現在地として、新しい産業の創出や地方創生、雇用創出の役割を果たすようになっています。eスポーツの仕組みを活かした子ども向けの英会話教室。先生とフォートナイト(ゲームタイトル)をしながら英会話をすることで、楽しみながら英会話を身に着けることができます。ゲーミングPCやゲーミングチェアだけではなく、ゲームブランドのアパレルも人気です。シニアのeスポーツチームができたり、障がい者福祉にもeスポーツを活用したりする動きがあります。

 今回の例会を開催するにあたり、田村専務理事の「eスポーツはどう?」という意見に真っ先に賛同したのは私でした。これから成長していく、エンターテインメントの話が聞きたかったのです。実は以前、eスポーツは「商売にならない」という経済学者がたくさんいました。しかし、鈴木氏の講義を聞いて感じたのはeスポーツの成長の可能性のみです。「ゲームはオタクのもの」だった35年前からは隔世の感を禁じ得ません。

 例会レポートは以上になります。最後になりますが、鈴木様、例会担当の田村さん、日本オラクル社の宇木さん、BPIA事務局の川上さん、誠にありがとうございました。


【開催概要】

日時2023年8月23日(水)
朝8:15〜9:45(受付開始 8:00〜)
場所日本オラクル株式会社
オラクル青山センター 22F 会議室
外苑前駅 4B出口直結
※ライブ配信とのハイブリット形式での開催です
タイトルeスポーツが社会を変える!? ―見えてきたeスポーツの社会的意義と将来性―
講師鈴木 文雄(すずき ふみお)氏

一般社団法人eスポーツ連合 理事
株式会社VARREL 代表取締役社長/株式会社DONUTS 執行役員
対象BPIA会員限定
参加費会場参加 3,000円(朝食代込。当日申し受けます)
*オンライン参加の場合は無償
進行田村 俊和(BPIA専務理事 例会担当/株式会社Bx Labs 代表取締役)

「例会」は、BPIA会長、会員経営者、又は外部経営者知見者を講師に招き、グローバル時代の経営を様々な視点で議論し、相互研鑽とビジネス交流を図るBPIA会員限定の勉強会となります。

◎講演概要

急拡大を続けるeスポーツ。「ゲームはスポーツなのか?」という懐疑的な社会からの評価を乗り越え、今年、IOCがオリンピックeスポーツシリーズを開催するなど、eスポーツの社会的地位は着実に高まっています。
また、eスポーツの広がりとともに、新産業創出、雇用促進、地方創生の面でも、eスポーツが果たす役割に期待が高まっています。
eスポーツ業界歴13年、現在プロeスポーツチームの代表も務める、日本eスポーツ連合の理事が、文化、経済、スポーツ、教育、社会など、様々な側面から、eスポーツの歴史と最前線を語ります。

◎講師プロフィール

鈴木文雄氏

鈴木 文雄(すずき ふみお)氏

一般社団法人eスポーツ連合 理事
株式会社VARREL 代表取締役社長/株式会社DONUTS 執行役員

2006年から15年間代表を務めた、広告代理店㈱SANKOの新事業としてeスポーツ事業をスタート。
日本で初めてeスポーツの専用施設を開業。eスポーツを日本で普及すべく、eスポーツ大会の開催、
スポンサー獲得活動に注力。日本初のeスポーツ専門学校の設立にも関わる。
2013年、世界No1,eスポーツタイトル「リーグオブレジェンド」の日本国内プロリーグ運営権を獲得。
2018年に日本eスポーツ連合の理事に就任。