企業活性化(イノベーション創出)研究会

<ネットワーク社会における企業の成功要因を探る>

特徴ある経営(独自の組織運営や評価制度、雇用制度、イノベーション創生、脱下請け等の施策)で成功している企業の成功要因を中心に分析し、日本企業を活性化するための企業のあり方や施策、働き方等について検討するという趣旨で活動しています。

 これまで、企業における仕事のやり方に関して調査分析し、代表的な理想の働き方(ワークモデル)を提案することを目的として、働き方革新や経営革新に意欲的な企業の訪問、経営者ヒアリングを実施し、公開シンポジウムなども開催してきました。また、モチベーション高揚で多くの企業が悩んでいる実態も明らかし、その課題解決に関する施策についてワークショップを開催しました。さらには、企業活性化の尺度などについての議論をしてきました。
 そして、地方創生に関連し、“働き方改革による企業と地方の活性化”、“イノベーションと地方創生”などをテーマとして設定し、「日本のどこでも同じような企業活動ができるビジネスプラットフォームとは何か」について議論し、なにが変われば大都市集中の構造が変わるのかを追求するとともに、地方都市で成功している企業、都市に機能を集中していない企業等の調査検討をしてきました。そして、「企業活性化と地方創生」に関するいくつかのレポートをホームページに掲載しました。

 さらに、“Society 5.0(未来社会創造、未来投資戦略、第4次産業革命、AI化等)時代における社会動向変化の働き方への影響について”をテーマとして設定し、日本の成長モデルとして位置づけられたSociety 5.0 が、働き方、職業職種、役割や責任等にどう変化を与えるかを議論しました。そして、レポート「次世代が求める働き方とは」では、“働き方に関連する事象の現状認識、海外との比較、日本の働き方の課題と解決、Society5.0 時代の働き方へのアプローチ”について記述しました。

 定例研究会は毎月1回開催し、企業活性化に関連する文献(論文や報告書)、各省庁の発表資料、報道記事、インタビュー記事などをいくつか取りあげて、ワークショップスタイルで議論しています。ここで取りあげる資料には、働き方改革や生産性向上施策のほか、サステナビリティ、M&A、人事施策、イノベーションなどの経営課題、セキュリティやAIなどの適用や課題、最近注目されているWeb3.0、IoT、センサー、デジタルツインなどの技術的課題などの話題も含まれます。

 議論の一部は、「サステナビリティへの企業のアプローチと課題(SXへの取組み)」、「企業活性化で考慮すべき要因を考察する」として、ホームページに掲載しました。国際情勢が大きく変化し、その影響により企業が考慮すべきリスクがさらに増大していること、未来人材会議の開催や学び直しなど人材への投資が注目されていること、ジョブ型の採用が進み、働く環境が大きく変化していることなどの最近の動向を反映しています。

 事例研究(企業訪問&経営者ヒアリング等)では、地方に開設したITビジネスオフィス、地域や伝統に根づいた特徴ある中堅オーナー企業などを訪問し、地域企業の活性化策、地域への貢献な2023 年11 月16 日 第25 回通常総会どをヒアリングしました。また、創業の地にこだわりをもつ企業、伝統と革新性を企業風土としている企業、自社のシステムを事業化して復活した企業などを訪問、また、働き方改革やオフィス改革による生産性向上を実践している30以上の企業や組織を訪問しました。
 新型コロナ流行により、企業訪問は3年間休止しておりましたが、2023 年9 月、岐阜県関市の鍋屋バイテック訪問を機に再開いたしました。森に囲まれた先進工場で、各種の賞を受賞、グローバルニッチ市場で価値を創造し続ける企業です。訪問レポートはホームページで公開しています。

 2023年度の定例研究会で扱ったテーマは以下があります。

 生成AIの現状と課題や影響、AIのビジネス活用事例と規制のあり方、分散型自律組織などの可能性、Web3.0 への期待、メタバースの現状と可能性、人材と働き方(雇用スタイル、働きがい、人材投資、学び直しとリスキリング、テレワーク普及の影響、ジョブ型導入の課題、副業導入の事例、採用の課題、未来人材ビジョン)、デザイン経営(デザイン思考、アート思考、インクルーシブデザイン)、イノベーション(日本の起業家の課題、小規模企業の成功事例、SFプロトタイピング、バックキャスティング)、活力ある企業の実例、企業破綻の要因と事例分析、M&Aや事業転換の成功と失敗の事例、地政学リスク増大への対応、震災リスクの再考、経済安全保障推進法の企業への影響、環境対策と経済成長の両立など

 2024年度も、引き続き、新しい時代の企業活性化施策や働き方に関連するテーマ、イノベーション創出の課題などについて、種々の記事や参考資料をもとに、タイムリーな話題をワークショップスタイルで議論します。
成功企業や積極的に施策を展開している団体等の訪問、特色のある施策やオフィスを展開している企業、先進的な技術を持つ企業の工場見学やヒアリング調査についても模索します。

 近年、地政学リスク、政治リスク、気候変動など、経済や経営に影響を与えるリスクが増大しています。サイバー空間からの攻撃では、すでに大きな損失をもたらしています。また、地震の可能性も高まっています。2023 年は、気候変動による災害が顕著で、全世界で、豪雨水害、干ばつ、山火事、突風などがおこり、経済活動にも大きな影響をもたらしました。リスク対策として企業は何をしておくべきか、環境対応として何ができるかなどについても議論したいと思います。

 研究会のテーマや実施方法については、つねにメンバーで話し合いをしております。変化の激しい時代ですので、最新の話題を取り入れながら検討内容も柔軟に変化させています。

■ナビゲータ(座長)

岡田 正志 <おかだ・まさし>

B&Tコンサル・オフィス 代表

名古屋大学大学院工学研究科修了。機器制御、分析機器、システム開発管理技術の研究、ソフト振興関連の国家プロジェクトなどに従事した後、NECソフト(現:NECソリューションイノベータ)株式会社では、基本ソフトやアプリケーションシステムの開発、生産技術の開発や品質管理のほか、社内業務や情報システムの改革、新オフィスの企画建設整備などにも参画。他に、大学の非常勤講師、各種委員会委員などを歴任。ソフトウエアやシステム開発等に関連する著訳書多数。

■実施スケジュール

定例研究会は、リモートおよびリアルとの併用形式にて月1回開催。(原則として、第三木曜の15 時からとしていますが、参加者の都合で調整しております)。企業訪問や経営者ヒアリング等も実施する予定です。

■最新のレポート

企業訪問 鍋屋バイテック会社関工園
企業訪問レポート 鍋屋バイテック会社関工園

■これまでホームページに掲載したレポートの例