『デジタルが拓く、個人・地方参画型の脱炭素社会』
講師:
株式会社Linkhola 代表取締役
野村 恭子 氏
【レポート】
こんにちは。BPIA/デジタルトランスフォーメーション研究会ナビゲータ―の石田です。今回は4月19日にオンラインで開催された、第12期デジタルトランスフォーメーション研究会の第2回研究会「デジタルが拓く、個人・地方参画型の脱炭素社会」についてレポートします。 今期のDX研究会のテーマは「地方創生×DX」。BPIAの橋本理事・梅木理事のお力をお借りしながら、デジタル技術を元に地方創生ビジネスに取り組むゲスト講師をお呼びして研究会を展開していきます。 第2回目のゲスト講師としてお呼びしたのが、株式会社Linkhola 代表取締役の野村恭子氏です。実は株式会社Linkholaも東大発のスタートアップ。前期最終回のアイデミー石川社長、前回のeMobi石川社長につづき、3講演連続で東大発のスタートアップのお話しを聞く機会となりました。やはり最高学府は目の付け所も違うのか、と感心するばかりです。 野村氏は高校生のときレイチェルカーソン(1960年代のアメリカの生物学者。環境問題を告発した)さんの存在を知り、環境に興味をもったといいます。大学卒業後、建設コンサルティング会社に就職。その会社で環境まちづくり、都市計画の仕事に携わることができました。様々な地方自治体と交流し、47都道府県で訪問していない街はわずか4都道府県。その後、WWFの森林認証のチームに転職し、東大社会人大学院で博士課程を取得。PWCを経て、4年前に株式会社Linkholaを創業されました。「すべての人と企業で一緒にカーボンニュートラル社会をつくり、ミライを豊かにする」をメッセージに、脱炭素・サステナビリティ支援をおこなっています。 近未来の大きな課題は、温室効果ガスを2030年までに約半分、2050年にゼロにする。世界と同様、日本もカーボンニュートラルを目指すことを宣言しています。東証の上場条件にも脱炭素の目標・情報開示の条項が入るようになりましたが、技術革新や企業努力だけでは多くの会社にとって苦しい条件です。需要と供給の面でデータをみると、需要が供給のなんと230倍。圧倒的不足どころか絶望的な状況です。その点、海外ではこの状況をビジネスチャンスと捉える企業も多く、脱炭素の取り組みが進んでいます。代表的な例は「テスラ」です。日本は「脱炭素の意識」だけでなく「ビジネス勘」と二重で出遅れてしまっている現実を感じました。 この状況に株式会社Linkholaは「カーボンオフセット・マッチングプラットフォーム」「CO2削減アプリの提供」「炭素クレジット化の自動化システムの提供」と3つの方法で課題解決をおこなっています。特に時間をとってお話しいただいたのがCO2削減アプリの「こつこつ(CO2CO2)」でした。こつこつは毎日の移動手段や移動時間を入力することで、どのくらいCO2が削減できたかをデータ化できるアプリ。電車移動を少し徒歩に変えると1年で2%のCO2削減、完全リモートワークだと1年で67%のCO2削減につながります。個人、企業でアプリを使うことで、まずは「脱炭素の意識を持つ」「脱炭素の会話をもつ」ことが重要だと感じました。 私自身、脱炭素についてこれほど情報を得たのは人生ではじめてでした。こういった人が日本中まだまだ多いのではないかと思います。そういった意味でも、株式会社Linkholaそして野村氏の存在価値は非常に高いと感じました。2030年、2050年という期限が我々にはあるわけですから。。 次回のDX研究会は6月下旬を予定しています。ぜひ引き続きご参加ください。
ナビゲーター 石田氏より
みなさん、こんにちは。BPIA/DX研究会ナビゲーターの石田です。 「地方創生×DX」をテーマに研究会を開催している今期のDX研究会。 初回は東大生経営者にご登壇いただきました。 第二回目は、東大発スタートアップの女性経営者の登壇です! 「デジタルが拓く、個人・地方参画型の脱炭素社会」と題し、株式会社Linkhola代表取締役の野村恭子様にお話しいただきます。 誰もが気軽に脱炭素活動に参加できるサービス『EARTHSTORY』。その取り組みとは? https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000011.000068026.html 今回もオンラインでの開催です。みなさんのご参加をお待ちしています!
【開催概要】
タイトル | デジタルが拓く、個人・地方参画型の脱炭素社会 |
日時 | 2023年4月19日(木) 17:20〜 アクセス可 17:30-19:00 講演及び質疑応答 |
講師 | 野村 恭子(のむら やすこ)氏 (株式会社Linkhola 代表取締役) |
開催方法 | Zoom ※ご参加者様へは別途開催情報をお知らせいたします。 |
対象 | BPIA会員、会員ご紹介者 ※ BPIAご入会に関心をお持ちの方歓迎します! |
【講演内容】
2021年はカーボンニュートラル元年とされ、地球温暖化や気候変動による影響がさらに深刻化する中、脱炭素化、脱炭素社会の実現が急務となっています。 しかしながら、世界のリーダーや国、自治体、大企業、メガバンクなどが単独で取り組むだけでは、カーボンニュートラル社会を実現することはできません。 個人や地方自治体の参画が欠かせず、積極的な行動が必要です。 今回は、ITやデジタル技術を活用して、個人や地方自治体の参画型脱炭素社会の実現を促進する『EARTHSTORY』の取り組みを紹介します。 また、ビジネスとしての社会実装のあり方や、個人、地方、日本から地球や未来への脱炭素活動の展開方法について、参加者の皆さまと議論し、深堀りします。
野村 恭子(のむら やすこ)氏
株式会社Linkhola 代表取締役
PwCJapan、国立環境研究所、WWFJapan、建設コンサル会社などでサステナビリティ・気候変動領域で約20年間の実績。 2020年1月に東大発スタートアップ、株式会社Linkholaを設立。 東京大学大学院卒環境学博士、技術士(環境) 2018年9月 PwCあらた有限責任監査法人 退職 2019年2月 一般財団法人日本民間公益活動推進機構(JANPIA)非常勤パートナー職 2020年1月 株式会社Linkhola設立 代表取締役(現任) 2020年8月 新宿区環境審議会 会長(現任) 2022年11月 株式会社ヒト・コミュニケーションズHD(現任)
■ナビゲーター
石田 麻琴(株式会社ECマーケティング人財育成 代表取締役)