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【企業訪問レポート】 三菱地所株式会社 新本社

企業活性化研究会では、2018年1月に「新たな価値を創出し続けるオフィス」を目指して、大手町ビルヂングから大手町パークビルディングに本社を移転された三菱地所株式会社の新本社を訪問いたしました。三菱地所では、オープンでフラットな企業風土を醸成することで「働き方改革」を鋭意進められています。こうした新オフィスのアプローチが評価され、2018年度第31回日経ニューオフィス賞経済産業大臣賞を受賞されています。


・新オフィスのコンセプトは 「Borderless! × Socializing! from MEC PARK」


 “公園(PARK)のように社内外の多様な人財が自然に集まって繋がり、活発なコミュニケーションが発生し、常に新たなアイディアが生まれ続ける「場」となることを目指す”ことを表しています。


・ABW(Activity Based Working)の考え方を導入

 

 ABW(いつどこで仕事をするのが最も生産性と効率がよいかを自分で決める働き方)の施策として、働くスタイルに対応した多種多様な空間デザインを採用、共用スペースの拡大整備(オフィスの3分の1が共用スペース)を実践し、モチベーション、創造性、生産性、従業員満足度などの向上を目指されています。


・グループアドレスの導入と事業担当役員個室の廃止

 

 グループワーク中心の業務スタイルとの両立のため、部署単位の緩やかなゾーンを決めた「グループアドレス」を導入、また、事業担当役員の個室を廃止することで、経営スピードの向上を目指されています。


・多種多様な施策やトライアルを展開、先進的取組みの実証実験の場としても活用

 

 いつでもどこでも働ける環境にともなうインフラと人事制度の見直し、テレワーク導入、パフォーマンス向上のためのパワーナップ(仮眠)制度、スマートフォンのオフィス内の内線化、コンシェルジュサービス導入による本業への専念度向上、指紋を使用した生体認証や顔認証によるセキュリティシステムの実証実験など、多彩な施策や試行が実施されています。また、コラボレーション企業との「実証の場」としてもオフィスを活用されています。さらには、個人用ロッカーにコンセントをつけるなど、細かな配慮も随所にみられました。

 このようなオフィス移転や働き方改革では、トップの経営判断および理解と率先しての行動、プロジェクトリーダーの使命感と積極的な行動、関係者のコミュニケーションと協力、社員の意識改革、ICTリテラシーの高揚などへのアプローチが成功の要因になります。今回の移転と改革では、これらがうまく機能し、早期の実現が可能になったすばらしい事例と思われます。


今回の企業訪問でお世話になった三菱地所株式会社の関係者の皆様に感謝いたします。


[ 企業活性化研究会(B&Tコンサル・オフィス 代表)  岡田 正志 ]


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