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第174回 目からウロコの「新ビジネスモデル」研究会(2023/6/27)

『今なぜ、新資本主義?!

〜資本論への執着が生む閉塞感〜


講師:

慶應義塾大学文学部教授、江戸川大学名誉教授 荒谷 大輔 氏


 

【開催後レポート】

参加者のコメント


  • アダム・スミスが道徳哲学の先生であり、個人の欲望に加えて「共感」があり、市場原理だけでなく神の見えざる手が道徳的秩序にも作用し、ボトムアップ的に形成されるって、実は今回初めて知りました。 ハートランドについては、まだ理解できていないところもありますが、お金でやらせる・やらせられるでなく、やりたいことが価値につながり経済が回ることを試行していることについて知ることができたというのが現時点での価値です。


  • 質を求める今の生産性は、お金の力では解決できないものになっていると感じた。 価値観、幸福感、などの多様性は、経済の仕組みすらも変えていく必要があり、今後の様々な仕組みには、感性を動かす仕組み、デザインが必要だと思いました。


  • 贈与経済のブロックチェーンによる可視化。  部門内で人材育成でどれだけ他人の成長に寄与できたか、がブロックチェーンで可視化できるかもしれないと感じた。


  • 贈与経済、ハートランドと言う言葉と意味を初めて知った。またハートランドの精神心は田舎の生活で良くある事だと思って聞いていたが、ディスカッションの中で「村社会」との価値の違いを知った。


  • 会社の利益のために働けではなく、「あなたのやりたいこと」が「風が吹けば桶屋が儲かる」的に社会や会社にとって価値につながるストーリーを示せたら良いと思いました。


  • 組織内において活動のインセンティブにバリエーションをもたせる


  • どちらかというと、奴隷制度に近い思考「~~しなければ」「~~してあげたのに」の世界にいるので、対価につながらなくても「私がしたいからしている」の思考を持ちたいです。


  • 以前、出家した小野氏のセミナーでも感じて記載しましたが、多くを望まず「やってあげる」で無く、「して頂いて有難う」の感謝の心を持ち生活を充実させる。また、新資本論で経済が伸び悩む事を指摘する人もいますが、大井幸子氏の著書に「世界経済が止まると言う事は原始時代に戻るか地球の終わりぐらいありえない」と書かれていたように発展と精神のバランスだと思う。


  • 流行という概念で善悪が決まりがちな世の中の流れ、結果、失うものの方が多いんじゃ?という視点。自分軸をよりしっかり持っておく事の必要性を感じました。自分もですが、自分に関わる人たちにも伝えていけたらと思う。


  • 「感謝」や「貢献」を経済活動のインセンティブにできるかもしれない、という気づき


  • やらされている仕事より、お金も大切ですが、楽しい仕事がしたいということが大変腑におちました。この気持ちを大切にして、明日からの人生を歩んでいきたいと思います。


  • AI ロボットは誰かに感謝しない。 ハートランドは、感謝の単位かと感じました。 村社会では、窮屈すぎるが、SNSでは、嘘くさい。 ちょうど良いところを探す手段として、ハートランドは、良きテーマかと。 とても考えさせられるテーマでした。

  • 共感性や贈与・奉仕の心をUX(ユーザ・エクスペリエンス)に加味したビジネスモデルについて。


  • 資本主義は学生時代に難しく抵抗があった。ハートランドというオープン経済が展開されるという全く想像していなかった講演であった。今まで資本主義に関しては歴史的な感覚であったが、ハートランドプロジェクトは最新のIT技術もあり、自分の今後にどう生かせるのか確認してみたい。


  • ”贈与経済”というのは新しい概念ではなく、過去からあった文化(経済?)であるのかなと感じております。それは、貨幣(お金)による価値が中心である現代で忘れ去られそうなことを思います返し今後に向けて意識していくことが必要ではないか。「情けは人の為ならず」という言葉を思い浮かべたが、「情けをかけてあげる」ということが意識したものではなく、普段の中で、お互いが「ないものを融通し合う」ことが大事なのではないかと。


  • 想像もつかないアプローチや考え方で、世の中を良くしようとしている方々がいらっしゃること。後から思いましたが、ハートランドプロジェクトが進めばどういう世界ができるのかな?と気になりました。


  • 贈与・奉仕・お布施はエコシステムになるのかどうか、気になり始めました。


  • 奴隷は解放した方が、自分のために労働し、賃金を調整できるため、経済的なメリットがある。


  • 哲学論や経済論はその時代の変化とともに変わり今も変わり続けている。


  • 約100年前、マックス・ウェーバーは『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』で、近代資本主義の成立は、プロテスタントの世俗内禁欲が資本主義の「精神」に適合性を持っていたという、逆説的な論理を述べています。つまり、近代資本主義の成立期には、プロテスタントの世俗内禁欲があったのです。 プロテスタントでは、宗教的に相手に対しての施しに対して対価は求めてならず、しかし、相手がその感謝としてお礼を渡すことはOKとした。これが欧州のプロテスタントの国々から資本主義が成立した背景だった... その世俗内禁欲の「精神」を忘れた、今の資本主義は岐路に立っています。 先月来日したドイツの哲学者マルクス・ガブリエルは最近「倫理資本主義」を提唱していて、今の資本主義に「倫理性」を再度組み込むことを強く説いています。 今日の勉強会はこれとリンクするように感じた....



 

【開催概要】

タイトル

国語辞書の常識・非常識

〜ことばの辞典とは何か? その歩みと成り立ち、現在と未来

日時

2023年7月25日(火)

18:00〜 アクセス可

18:15〜20:00 研究会

講師

山本 康一(やまもと こういち)氏

株式会社三省堂 執行役員 辞書出版部部長

申込方法

BPIA会員以外の方も参加できます。

事前のお申込みが必要です。

下記フォームまたはFacebookイベントページよりお申込みください。

開催方法

Zoom

※参加表明をいただいた方には、後日、開催情報(URL等)をお送りします


【Zoom開催にあたっての注意事項】

※ 表示名は「氏名」にしてください。

 受付時にお申込者リストと照合するため、お名前がわかる状態にしてください。

 表示名がリストと一致しない方は、ご退出いただく場合があります。

※ 参加者の方も「顔出し(カメラON)」でご参加ください。

  移動中等、顔出しができない場合は、事前にご連絡ください。

※ 質問の際以外は、ミュート(マイクOFF)にしてください。

※ 初めてZoomをお使いになる方は、事前にZoomのインストールが必要です。

備考

勧誘・セールス・就職活動等を目的とした方の参加は固くお断りします。

アダムスミスが提唱した資本論は世界で大きく展開され、世の中も発展してきた。一方で、近代の経済においては様々な前提が崩れており、資本論にも大きなズレが生じている。分業の概念を効率よく稼働させる欺瞞の資本主義経済の仕組み、西洋の直線的な思考による合理への偏重が、現在の閉塞感を作り出している。荒谷教授は、そのような合理へ偏重した経済の仕組みではなく、資本論以前の贈与経済の仕組みであった「ありがとう」を経済圏の基礎としたハートランドを構想し、既存の資本主義とのパラレルな世界を実装している。


地方創生推進を行っている「サトヤマカイギ」も、西洋の合理的な分業は、AIやロボットに任せて、これから人間はもっと余白を持ちココロを動かす感覚的知性を見直すべきだと、東洋思想の重要性を説いている。その感覚的知性と考える思考こそが日本人が得意とするクリエイティビティを創発する。また、都市圏では西洋的な概念が強く、地方では東洋的な概念が強く残る傾向にあり、パラレルに存在する価値観を認め会い、価値観の偏重を緩やかにすることで真の地方創生が実現出来ると考えている。 相似的な感覚を持ちあわせるサトヤマカイギメンバーと荒谷教授が、現在の変曲点について語り合う。


宮下 智裕 氏

荒谷 大輔 (あらや だいすけ) 氏

慶應義塾大学 文学部教授、江戸川大学 名誉教授


専門は哲学/倫理学。「哲学は実践でなければならない」を旗印に、現代社会の構造分析および、その改革のための実践を行う。主な著書に『資本主義に出口はあるか』(講談社現代新書)、『ラカンの哲学:哲学の実践としての精神分析』(講談社メチエ)、『「経済」の哲学:ナルシスの危機を越えて』(せりか書房)、『西田幾多郎:歴史の論理学』(講談社)、『ドゥルーズ/ガタリの現在』(共著、平凡社)など。


■パネラー


宮下 智裕 (みやした ともひろ) 氏 金沢工業大学建築学部建築学科 教授, 博士 (工学) サトヤマカイギ 副代表理事 高志保 博孝 (たかしほ ひろたか) 氏 サトヤマカイギ 代表理事


 

■ナビゲーター

井ノ上 美和


■主催

BPIA (ビジネスプロフェッショナルインキュベーション協議会)


■共催

ITmedia エグゼクティブ

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