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第184回 BPIA研究会『目からウロコ〜!』 (2024/5/28)

『「会社に対する忠誠」を精神論にしない:

 「贈与経済2.0」による給与外貢献の適正評価』


講師:

慶應義塾大学文学部教授、江戸川大学名誉教授

荒谷 大輔 氏

 

【開催後レポート】

参加者のコメント


  • 荒谷先生の講義は2度目でしたが、異なる感想を持ちました。

    改めて、反復の大事さ、腹落ちさせるには時間がかかることを感じました。

    贈与経済については、与える側と受ける側が、直接等価の物を交換するのではなく、行為の事実が社会全体に流通することによって価値になるという、時間軸も含んだ価値の新しい形態で、戸惑う部分もありますが、多様性、個性の時代には社会的に必要な仕組みだと感じました。


  • 目指すのは貨幣価値に依存(従属?)しない互恵性に満ちた幸福な社会や組織。これを生み出すために「贈与」という活動を軸にした経済を実現しようと試みる考えは、実験的に取り組んでみる価値があると感じました。また、人間存在(human-being)をdoing(行動)から証明するというアプローチは、人生の縁であり轍にもなるのかもしれないと感じました。


  • 「贈与経済2.0」とても面白い考え方だと思います。元々は、日本人が持っている良い考え方だと思います。確かに、この部分は資本主義の中では定量的に評価されない点ですね。それを、仕組みとしてある種の数値化をしてさらに1つのコミュニティだけでなく、その個人にその情報がついて回るというのは非常に面白いと思いました。


  • 組織マネジメントにも通じる考え方かと思います。部門長として見返りを気にせず、定性的な部分も含め与えること、ここを念頭にしたい。組織メンバーが同じ考えを持てるのであれば、強い組織になると考えます。


  • まずは事実の記録が重要だと感じました。そして、その記録に当たっては意味(価値)を一旦切り離すというアプローチを実践し、その感謝を折に触れて直接お伝えしていこうと思います。


  • 私たち人間界を二元論的存在論から、アニミズムへの回帰を求める発想であると感じた。しかしながら「贈与」という言葉が、もっと精神論をつく言葉にかえられないだろうか、、、今もなお考えを巡らせている。


  • 現在、人的資本に絡む仕事を行なっていく中で、物体としての資産がその後、どのようなレバレッジによって、価値の変遷を辿るか、物語と捉え直すことで、可視化できるのではないかと気づきました。


  • 贈与経済、恥ずかしながら今回の講義を受ける前までは知らないワードでした。まさに新たな価値(与えることを優先する、与えたことを記録する)を知った機会となりました。正直まだまだ理解不足です。勉強します。


  • (理解できていない点、腑に落ちない点が色々ありますが)人事制度に取り入れるメリットがあるかもしれない。


  • 贈与経済の根底にある「感謝」については、前回も感じたように、感謝の気持ちを伝えることは大事で、「ありがとう」は忘れないようにしたいと思います。


  • ビジネスや、地域活動など活用できる場面はありそうですが、子育てにこの考え方を取り入れるのが良いのではないかと思っております。


  • 大谷選手が活躍して「日本人の素晴らしさ」が評価された事として、小さなゴミを拾う事が世界中に広がりました。現在の高校野球の指導者は必ず技術以上に生活態度を指導します。全員とは言いませんが甲子園に出場する強豪校の選手は人格形成も出来ている子供たちが多いと思います。そう言う目線で子育て、若手育成に活かして行きたいと思います。


  • その場で記録ということは重要で、この考え方は今後の展開の中で使っていきます。


  • ゆくゆくは、組織のインセンティブの仕組みにつなげてみたいと感じました。


  • 一個人で、贈与による経済を新たに構築しようという姿勢


  • 感謝をきちんと伝えているか、改めて振り返る機会にもなった。


 

【開催概要】

タイトル

「会社に対する忠誠」を精神論にしない:

「贈与経済2.0」による給与外貢献の適正評価

日時

2024年5月28日(火)

18:00〜 アクセス可

18:15〜20:00 研究会

講師

荒谷 大輔(あらや だいすけ)氏

慶應義塾大学文学部教授、江戸川大学名誉教授

申込方法

BPIA会員以外の方も参加できます。

事前のお申込みが必要です。

下記フォームまたはFacebookイベントページよりお申込みください。

開催方法

Zoom

※参加表明をいただいた方には、後日、開催情報(URL等)をお送りします


【Zoom開催にあたっての注意事項】

※ 表示名は「氏名」にしてください。

 受付時にお申込者リストと照合するため、お名前がわかる状態にしてください。

 表示名がリストと一致しない方は、ご退出いただく場合があります。

※ 参加者の方も「顔出し(カメラON)」でご参加ください。

  移動中等、顔出しができない場合は、事前にご連絡ください。

※ 質問の際以外は、ミュート(マイクOFF)にしてください。

※ 初めてZoomをお使いになる方は、事前にZoomのインストールが必要です。

備考

勧誘・セールス・就職活動等を目的とした方の参加は固くお断りします。

資本主義が限界を迎えていると言われる今、

これまでの「数字で表せないことには価値がない」という考え方を再考する必要があるかもしれません。


金銭的なものよりも共感や仲間とのつながりを重視する若者たち。

そんな若手社員の"がんばり"や"貢献"をいかに正当に評価して、社員のコミットメントを引き出すかについて考察します。


ぜひ会社のマネジメント層、人事担当の方と一緒にご参加ください!

【講師より】

「自分の若い頃はもっとがむしゃらに働いて会社に貢献してたのに、最近の若いやつらはコスパとかタイパとか勝手なことをいうようになった」と嘆かれることはないでしょうか。

若い人には若い人のロジックがあるわけですが、それを単に世代間の認識の違いと考えてしまうと事柄の本質を見落としてしまいます。

というのも、かつてと今では企業内の「贈与経済」のあり方が異なっているからです。

「給料以上に働くこと」は、例えば、お金の見返り以上の部分を働き手が会社に「贈与」していたことになりますが、そうした「頑張り」をきちんとカウントする仕組みがあるところでは、贈与する方にも明確な(贈与経済上の)メリットがありました。

終身雇用制が機能し「頑張り」がきちんと評価される見通しがあればこそ、人は会社に尽くすことができたのでした。

昨今の経済状況では、働き手が安心できる環境を維持するのもなかなか難しい状況ですが、今回の発表では、コストをかけずに働き手の「贈与」を正当に評価し、コミットメントを引き出す方法をご提案できればと思います。

荒谷 大輔(あらや だいすけ)氏

慶應義塾大学文学部教授、江戸川大学名誉教授


専門は哲学/倫理学。主な著書に『贈与経済2.0:お金を稼がなくても生きていける世界に暮らす』(翔泳社)、『資本主義に出口はあるか』(講談社現代新書)、『ラカンの哲学:哲学の実践としての精神分析』(講談社メチェ)、『「経済」の哲学:ナルシスの危機を越えて」(せりか書房)、『西田幾多郎:歴史の論理学」(講談社)、『使える哲学:私たちを駆り立てる五つの欲望はどこから来たのか』(講談社メチエ)など


 

■ナビゲーター

井ノ上 美和

■主催

BPIA (ビジネスプロフェッショナルインキュベーション協議会)


■共催

ITmedia エグゼクティブ

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