レポート 皆が実践できる「イノベーションプロセス」を考える 研究会 2014年度 研究会/講演会

【レポート】 皆が実践できる「イノベーションプロセス」を考える

レポーター: 備前 勇 (リコーITソリューションズ株式会社 ITソリューション事業部)

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昨年、あるセミナーに参加した際、こんな話を聞きました。

“日本のビジネス競争力は落ちている。イノベーションが起き、ビジネスのルールは変わってしまったのに、日本は依然として古いルールで戦っている”

既にゲームは新しいルールでおこなわれているのだから、すぐに新ルールを取り入れるか、もしくは、もっと新しいルールを作って上書きしてしまうか、そうしない限り勝負にならないのだと。

“これからは、ビジネスモデルのイノベーションが新たな戦場だ”という言葉が胸に刺さりました。

この時代、新しいビジネスモデルには、時間やロケーションに縛られない『ITの要素』が重要な役割を果たすのは言うまでもありません。そして、今のITのトレンドといえば、ビッグデータ、モバイル、クラウド、ソーシャル技術、というお馴染みの”道具”です。

しかし、「よし!じゃあウチもビッグデータ、モバイル、クラウド、ソーシャル技術を使ってイノベーションを起こすぞ!」と叫んでみたところで、何をやればいいのか、ちっとも思いつきません。道具の使い方がよくわからないのです。

そんな時、BPIAから届いた一通のメールを見て、ふと『わからなかったのは<道具の使い方>ではなく、使い方を考える<頭の使い方>のほうではないか?』という疑問が浮かびました。

“イノベーションは天才の専売特許ではない、我々にも出来る”
“イノベーションを実現できる思考のプロセスを考えよう”

メールの中にあったそんな言葉に背中を押され、”皆が実践できる『イノベーションプロセス』を考える研究会”に参加するに至りました。

 

■研究会の様子

講師の渡邉さんのお話の進め方は非常に楽しく、新しいことを生み出そうという自由な思考の場という雰囲気。

第1回のオリエンテーションでは、
”君が天才でなくてもアイディアを生み出せる!”
”知と知の組み合わせがイノベーションを起こす。知と知を組み合わせる『型』を学ぼう!”というお話を伺い、それが実感できる演習を体験しました。

「ここに参加したらアイディアを生み出せるようになるのかと思うとワクワクして、『自分が凡人でよかった!』と思えました!」(誇張)

第2回からは実際に知と知を組み合わせる思考方法の実践です。
“とにかく正誤も具体性も関係なく思考を発散せよ”をテーマに、ブレーンストーミングの基本ルールのレクチャーをうけ、がんがんアイディアを発散する演習をおこないました。

出されたアイディアは批評せず、皆が肯定的に受け入れるという基本ルールが『自由でいいんだね!一人じゃないってステキなことね!』という一体感を高めていきます。また、自分が考え付きもしないアイディアがどんどん出てくると、連鎖的に新たなアイディアが生まれ、イノベーションの小さな火花がそこかしこに発生していることを実感できます。

ちなみに、研究会をおこなっている「イトーキ東京イノベーションセンター SYNQA」の会議室は、壁がホワイトボード代わり。書いても消せる壁にアイディアをどんどん書き込んでいきます。

1533888_695791300461315_445783356_n994415_695791317127980_1805685852_nこの”壁に書けるはずがないという常識”を逸脱する行為は、”自由な発想を生むには常識に捕らわれてはいけない(常識を疑う)”という意識を刺激します。こういう仕掛けがたまりません。

「ここに参加したら、イノベーションの火花が私の心に火をつけ、未来を明るく照らし始めました!」(誇張)

■渡邊さんが繰り返すキーワード

渡邊さんのお話の中に、ある”気づき”を得ました。

“自分にもできると確信せよ”
“ポジティブな逸脱者になれ”
“リスクを負う勇気を持て”

方法論がわかれば、新たな創造物が勝手に生み出されるわけではありません。この方法を実践し続ける”動力”が必要です。”動力”は、”人の強い思い”です。

『強い思いが世界を変えるという情熱を持とう、そして実践し続けよう』
そんなメッセージが伝わってきます。

さて次回も自分の常識を疑っていきたいと思います。

「世界を変えたい?無駄無駄無駄無駄ァッ!」
「フッ……そうかな」

会場・イトーキSYNQA
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◎皆が実践できる「イノベーションプロセス」を考える研究会のページ
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